「わたしの備え帖」の体験談記事では、将来に関して気になる「お金・·住まい・·もしも
の備え・·親の介護や相続」などのテーマについて、会員の方などから、リアルな体験談をお話しいただきます。
同じような状況の方のリアルな悩みに共感したり、先輩の生の体験談を参考にしたりして、ぜひ「今後の備え」にお役立てください。

「わたしの備え帖」インタビュアーの篠崎留美(しのざきるみ)です。45歳のWebライターで、都内の賃貸マンションにひとり暮らししています。
この歳になると、親の介護に自分の老後など、心配なことはいろいろあり、同世代の方の体験談を聞きながら、自分にとっても勉強になっています。

今回は、遠方の自宅でお母さまが突然倒れて亡くなられ、ひとり娘のために急な死後事務や相続などの対応を経験された、という美沙さん(仮名)の体験談をインタビューします。

美沙さん、このたびは、お母さまが突然亡くなられたという大変なご経験についてお話しくださる機会をいただきまして、ありがとうございます。


こんにちは。
現在は、東京都内で事務職のパートタイマーをしながら、家族と暮らしています。
趣味はアイドル「Travis Japan(トラビス・ジャパン)」の推し活です!
私の経験を話すことで、誰かのお役に立てれ ば、うれしいです。

お母さまは急死されたとのことですが、さしつかえない範囲で、当時の状況を教えてください。
母が倒れた日は連休の初日でした。
実は、当時三重県に住んでいた私たち一家で、東京の母の家に泊まりに行く約束をしていたんです。私はひとり娘でしたから、私の子供2人は母にとっては唯一の孫。とてもかわいがっていて、時々泊まりに来るのを楽しみにしていました。
朝早く車で三重県を出て、いつも通り移動中に母の家に電話を入れたのですが、全く電話に出る様子がありません。母は基本的に家にいることが多いですし、その日は私たちが来るのもわかっているはずなので、「おかしいな」と思いました。
何度か電話しても出ないので、胸騒ぎがして、母の自宅近くに住んでいる母の妹(私にとっては叔母にあたります)に、様子を見に行ってほしいと電話しました。
叔母が慌てて見に行くと、家のなかで母が倒れていました。急いで救急車を呼びましたが、救急隊の方が来て、すでに死亡しているのが確認されたそうです。
後から診断した結果では、急性心不全とのことでした。
お孫さんが泊まりにくるのを楽しみにしていらした、ということで、その日までお元気だった様子がわかりますね。
そうなんです。
母も80歳を過ぎていたので、足腰が弱ってきたとか、もちろん多少の体調不良はありました。でも、あとからかかりつけ医の先生に話を聞いても、特に脳や心臓に目立った不調や病気はみられなかった そうです。
ただ、元気そうに見えても歳は歳なので、そろそろ心配だし、1年後には私たち一家が母の実家に戻ってきて一緒に住む、ということを決め、引っ越しや子供たちの転校などの具体的な準備も進めていた矢先の出来事でした。
あと1年早く一緒に住み始めていたら、あの日の朝ではなくその前日に母のところに来れていたら……もしかしたら母は助かったのではないか……と今でも考えてしまいます。

急性の心疾患は突然死のなかで最も多い原因といわれています。
わたしの知り合いでも、夫や妻、子供などが同居していたにもかかわらず、急性心筋梗塞や急性心不全などで突然倒れてそのまま亡くなられている方が複数いらっしゃいます。

ご自宅で家族が亡くなられた場合、病院よりも死亡診断などの手続きが大変になると聞いています。
はい。叔母が救急車を呼んでくれたものの、すでに死亡している状態だったということで、母は結局病院には連れて行かれませんでした。
自宅で死亡した場合は、事件性などがないかを確認するため、警察が検視を行うことになります。
私たちが叔母からの報告を受けて東京に着いたときには、すでに母の遺体は最寄りの警察署の方に運ばれていました。

<解説>
自宅で人が亡くなった場合、警察は死亡理由に事件性がないか確かめるために、自宅で死亡した方の検視をします。
・原因がすぐにわからない場合は、警察署が遺体をひきとり監察医が検案することもあります。
・事件性などがないことを確認できたら、監察医が「死体検案書」を発行します。
・病院で亡くなられた場合は、通常、医師が「死亡診断書」を発行します。
*参考:小さなお葬式|自宅で死亡した方の検視にかかる時間は?検視の流れ・費用などを詳しく解説
あまりに突然のことで事態を受け入れるのが大変ですね・・・警察との検視などのやりとりで大変なことはありましたか?
母が高齢なこともあり、事件性や不審な点はないので、警察の方も嫌な感じではなく、淡々と進めてくださいましたが……まさか、元気な母に自宅で迎えてもらうつもりが、警察署で遺体として対面することになるなんて、本当に現実を受け入れられない、という感じでしたね。
ただ、悲嘆に暮れている暇はなく、検視・検案が終わった翌日には遺体を引き取らないといけないんです。とにかく、なんとしてでも翌日までに葬儀屋さんを手配しなければ、ということで、役所への手続きと葬儀の手配にとりかかりました。
正直、このあたりのことは、突然過ぎてショックだったのと、あわただしかったのとで、あまり記憶がないくらいです。

心の準備ができていないなかで、遺体のひきとりや火葬・葬儀の手配などを進めなければならないのは、残された家族がいちばん大変なところですね。

葬儀の手配については、お母さまから何かあらかじめ指定されていることなどありましたか?
当日まで元気だったこともあって、母も何も準備していませんでした。
特定の互助会にも入っていなかったので、急いで近くの葬儀屋さんで翌日遺体の引き取りを手配できるところを探しました。
ネットですぐに対応可能な葬儀場を検索できるサービスがあったりして、その点は都内だからというのもあるかもしれませんが、わりとスムーズでした。
火葬や葬儀の手配から、年金や公共サービスの手続きなど、死後事務として家族はさまざまなことに対応しなければなりません。死後事務で特に大変だったことはどんなことですか?
まず、遺体の引き取りを含めて、火葬や葬儀の手配は、本当に親が亡くなってすぐ、緊急で対応しなければならないので、そこは感情的な整理も含めて、やはり大変でしたね。
あとは、役所とか銀行とかの手続きも、だいたい追加で書類が必要とか、一度で終わらないことが多いですよね。
ひとつひとつの作業は、そこまで大変というわけではないので、近くに住んでいればよいかもしれませんが、私たちは葬儀など終わってからは子供の学校もあるし、三重に帰ってしまったので、遠方から手続きするのは大変でした。
死後事務の手続きや相続などで専門家にお願いしたことはありましたか?
相続登記の手続きについて、司法書士さんにお願いしました。
司法書士さんはどのように探しましたか?
親戚に紹介してもらいました。
遠方に住んでいて、遺言書などもなかったので、戸籍を取り寄せたり、自分で手続きするのは大変そうだと思って、お願いしました。
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