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住み替えの流れと注意点(不動産売却や契約)

2025.12.4

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住み替えは「売る」「買う」「移る」を同時に進める複雑なプロセスです。そのため、頭では理解していても、いざ動き出そうとすると手続きの多さに戸惑い、「どこから着手すればよいのか」と悩むケースもあるのではないでしょうか。

たとえば、現在の住まいを売りながら新しい住まいを購入する場合、売却のタイミングや資金計画、ローンの組み直しといった複数の手続きを同時に進めなければなりません。また、流れを把握していなければ、資金不足や引き渡しスケジュールのずれといったトラブルにつながることもあります。

この記事では、住み替えの基本的な流れと注意点を整理し、スムーズに進めるための実践的なポイントをみていきましょう。



住み替えとは何か?


住み替えとは、今の住まいから別の住まいへ移ることを幅広く指す言葉です。売却や購入といった不動産の取引が伴う場合もあれば、賃貸への転居や規模の変更など、暮らし方に合わせた住まいの見直し全般を含みます。単なる引越しと異なり、住環境や生活動線、将来の暮らし方までをまとめて考える点が特徴といえます。 「今の住まいをどう扱うか」「新しい住まいをどのように選ぶか」といった判断すべき項目が複数あるため、1つずつ整理しながら進めていくとよいでしょう。


多くの人が住み替えを検討する主な理由には、次のような理由が挙げられます。


  • 老朽化した住宅の修繕負担を軽くしたい:修理や維持費が増え、長期的な負担が大きくなる

  • バリアフリー住宅など安心して暮らせる住まいに移りたい:段差の少ない間取りや介護対応を視野に入れる人が増えている

  • 利便性の高い地域へ移動したい:通院・買い物・交通アクセスなど、生活のしやすさを重視する動きが加速している

  • 子どもの独立後に生活規模を見直したい:広すぎる家や使っていない部屋を整理し、管理の手間を減らす

  • 将来の相続や資産整理を考慮しておきたい:住み替えを通じて資産の現金化や分配を見据える


住み替えは、複数の手続きを並行して進めるため、全体の流れを見通したスケジュール管理が成功の鍵といえるでしょう。



住み替えの流れ


住み替えは、売却と購入を並行して進めるため、手続きが複雑になりがちです。そのうえで、進め方に迷うと不安が大きくなるものの、流れをつかめば落ち着いて判断できるようになります。

ここでは、住み替えを検討するときに多くの人が踏む基本的な流れを、3つのステップに分けて売主視点からみていきましょう。全体像を知っておくことで、自分がどこから進めればよいかを把握しやすくなります。



ステップ1:現住居の状況確認と査定依頼


住み替えを考え始めたとき、最初に不安につながりやすいのが「今の住まいがどれくらいで売れるのか」という点です。そのため、現在の住まいの売却価格の見通しが立てば、次の選択肢が明確になるため、状況把握からスタートしましょう。

まずは、今の住まいの状態と資産価値を確認します。近隣の販売事例や相場を調べ、現実的な売却価格を把握しましょう。既存住宅の流通は年々活発になっており、今後もその傾向は続く可能性があります。

次に、不動産会社へ査定を依頼します。複数社に依頼して比較します。机上査定で概算を確認し、訪問査定で具体的な価格を見極めましょう。

価格や方針が決定した後は、不動産会社と媒介契約(売却活動をどのように進めるかを不動産会社と取り決める契約)を結びます。契約後は不動産会社が広告や内覧対応を行いつつ、売主※は買い手を探していくことになります。

※不動産を売却する人のこと



ステップ2:売却と購入のスケジュール設計


住み替えを考えるとき、多くの人が悩むのが売却と購入の順番です。どちらを先に進めるかによって負担の感じ方が変わるため、特徴を把握し、売却と購入のタイミングを決めましょう。

先に今の住まいを売る方法の「売り先行」は、資金を確保しやすいものの、新居が見つかるまで一時的に仮住まいが必要になるケースもあります。

一方で、先に新居を購入する方法の「買い先行」は、引越しがスムーズに進みます。ただし、売却が遅れると一時的に二重のローンを抱える可能性がある点には注意が必要です。まとめると以下のようになります。

方法

メリット

注意点

売り先行(先に売る)

・売却資金を確保しやすい・資金計画が立てやすい

・新居が決まらない場合、仮住まいが必要になることがある

買い先行(先に買う)

・住み替えの流れがスムーズ・引越し時期を調整しやすい

・売却が遅れると一時的に住居費が重なる可能性

契約日や引渡日、ローン実行日をしっかり決め、スケジュールのズレが起きないように調整することを推奨します。金融機関や仲介会社と早めに相談し、余裕を持った計画を立てましょう。



ステップ3:契約・決済・引渡しの手続き


まず、売主視点では、買主との合意がまとまると売買契約に進むことになります。契約のタイミングでは、宅地建物取引士による重要事項説明を買主が受け、契約書の内容を買主と共に確認しましょう。手付金を買主が支払い、売主側はその金額を受け取り、契約が成立します。


次に売主は、残代金の受領と同時に、住宅ローンが残っている場合は金融機関との精算を行い、司法書士の立会いのもとで所有権移転登記の手続きを進めます。必要書類の提出や鍵の受け渡しに備えておきましょう。


引渡しのタイミングでは、鍵や書類を買主へ渡し、設備の状態を確認します。引渡し後のトラブル防止のため、写真や記録を残しておくとよいでしょう。売主の視点では、買主への引き渡しと並行して新居の手配やライフラインの手続きを済ませておけば、住み替えが完了します。


契約・決済・引渡しの手続きにおける売主と買主のアクションを、簡潔にまとめると以下の通りです。


売主のアクション


  • 現住居の売却手続き(契約・決済)

  • 物件引渡し前の設備や現況確認

  • 引渡し後、新居の手配とライフライン手続きを進める


買主のアクション


  • 購入物件の最終確認(設備・現況)

  • ライフラインの手続き(電気・水道・ガスなど)

  • 住み替えの準備(引越し手配)



住み替えにおける資金計画と税制上の注意点


住み替えを進めるときは、資金計画と税制の両方を整理しておきましょう。「売却代金をどのように充てるか」、「ローン残債がどれくらい残るか」といった資金面の判断に、税制上の取り扱いが大きく関わるためです。

売却益が出た場合の特例や、新居購入時の控除制度を把握しておけば、負担の見通しが立てやすくなります。ここでは、ローン残債の処理から住み替え時に利用できる税制優遇まで、注意したいポイントをみていきましょう。



ローン残債と売却代金の差額をどう埋めるか


住み替えを検討するタイミングでは、多くの人は「今のローンが残ったままでも進められるのか」という点が気になるでしょう。実は、旧居の住宅ローンが完済前である状態は珍しくなく、そこから住み替えを考えるケースが一般的です。

しかし、売却代金がローン残高を上回れば負担なく手続きを進められるものの、逆に下回る場合は不足分の補填方法を考える必要があります。この状況は「オーバーローン」と呼ばれ、住み替えの計画を立てるうえで早めに確認しておくと判断しやすくなるでしょう。

複数の選択肢に対して、どのように差額を埋めるかは以下の通りです。

状況

主な対応策

メリット

注意点

売却代金 > ローン残高

売却益で残債を完済

追加負担なしでローンを完了できる

特になし(繰上返済などで完済手続きを確認)

売却代金 < ローン残高(オーバーローンだが、自己資金で支払える)

自己資金で差額を補う

シンプルで金利負担がない

貯蓄を使いすぎると新居購入費や生活資金に影響

売却代金 < ローン残高(資金不足でこのままでは支払えない)

住み替えローンを利用

旧居と新居のローンを一本化できる

借入総額が増え、月々の返済負担が上がる

売却代金の入金前に新居購入が必要

つなぎ融資を利用

資金の流れを途切れさせずに購入できる

金利が高めで短期返済が前提。スケジュール管理が重要

売却代金で完済できず抵当権が残る

金融機関と完済までの資金計画を調整

抵当権抹消に向けた手続きが進められる

調整が遅れると売買契約が成立しないおそれ



3,000万円特別控除や居住用財産の買換えの特例 の活用


住み替えでは、売却益が出るかどうかで税負担が変わるため、利用できる特例を早めに把握しておきましょう。住み替えで適用できる代表的な制度には、「3,000万円特別控除」と「居住用財産の買換えの特例 」があります。

まず、3,000万円特別控除は、居住していた住宅を売却した際に、譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける制度です。過去2年間に同じ特例を使っていなければ適用できますが、翌年に確定申告が必要となります。

次に、居住用財産の買換えの特例 は、住宅を売却して新しい住まいに移る場合に、譲渡益の課税を将来へ繰り延べできる制度です。所有期間が10年以上であることや売却額が1億円以下であることなど、いくつかの条件があります。

どちらを利用するかは、譲渡益の大きさや住み替えの方針によって変わるため、概要だけでも理解しておくと、選択肢を整理しやすくなるでしょう。



住み替えで起こりうる避けたい失敗


住み替えを考えるとき、多くの人が心配するのが「どこでつまずきやすいのか」という点です。売却・購入・資金計画・引越しなど複数の手続きを同時並行で進める必要があることから、迷いが生じやすく、進め方に不安を感じるケースも多いのではないでしょうか。

ここでは、典型的な失敗パターンと背景を具体的にみていきましょう。



売却価格との乖離


住み替えでは、売却価格の見込み違いが起こりやすいポイントの一つです。少しでも良い条件で手放したい気持ちは当然ではあるものの、相場より高く設定すると買い手がつきにくく、販売期間が長くなる場合があります。

対して、早く契約したい気持ちが強い場合、想定よりも低い価格での値引きに応じてしまうケースもあり、資金計画に影響が出ることも少なくありません。

また、不動産会社の選び方によって、売却までの進み方が大きく変わるケースもあります。広告を出す範囲が限られていたり、交渉のサポートが十分でなかったりすれば、希望する条件での成約につながりにくくなるでしょう。

そのため、査定額の高さだけで決めるのではなく、複数の会社に相談して比較することを推奨します。「担当者がどのような売り方を提案するのか、どれくらいの実績があるのか、説明がわかりやすいか」といった要素を家族や信頼できる友人などと一緒に確認すると、自分に合う会社を選びやすくなります。



スケジュールのズレ・引越しタイミング


スケジュールのズレや引越しのタイミングは、住み替えで迷いやすいポイントです。

売却と購入の時期をうまく合わせられない場合に、余計なコストがかかるケースも予想されます。例えば、新居を先に買って旧居が売れなければ、一定期間は二重ローンが発生するでしょう。

反対に、先に売ってしまった場合には、仮住まいが必要になり、賃料や引越し費用が増加するケースも考えられます。

決済日やローン実行日がずれると資金の流れに支障が出るケースもあるでしょう。手続きの遅れを防ぐためにも、余裕を持ったスケジュールで進めると心にも余裕を持ちやすくなります。

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