
任意後見制度と法定後見制度の違いを7つのポイントでわかりやすく比較
2025.12.1



将来、認知症などで判断能力が低下したときに「自分の生活や財産をどう守るか」は、多くの人にとって避けて通れない大きな課題です。特に40代以降になると、親の介護を経験したことで「もっと早く備えておけばよかった」と感じたり、自分の老後に不安を感じる方も多くいらっしゃいます。
そこで注目されているのが、任意後見制度と法定後見制度です。どちらも、ご本人を支えるための制度ですが、後見人の選び方や手続き、費用、開始時期などに大きな違いがあります。
本記事では、この2つの制度を7つのポイントでわかりやすく比較し、自分や家族に合う後見制度を選ぶための基礎知識をわかりやすくご紹介します。
任意後見制度と法定後見制度の違い一覧表
任意後見制度と法定後見制度は、いずれも判断能力が低下した本人を守るための制度ですが、仕組み・開始時期・後見人の選ばれ方など様々な違いがあります。
まずは一覧表 で両制度の特徴を見比べて、全体の違いを把握しておきましょう。
【任意後見制度と法定後見制度の主な違い】
任意後見制度 | 法定後見制度 | |
目的 | 財産管理・身上監護 | 財産管理・身上監護 |
後見人 | 本人が指定できる | 家庭裁判所によって選任される |
業務内容 | 任意後見契約で規定する | 民法の規定に基づく |
取消権の有無 | なし | あり ※日用品の購入は取り消せない |
監督者の有無 | 必須 | 任意 |
必要な手続き | 1.任意後見契約公正証書の作成 2.任意後見監督人選任の申立て | 後見開始の申立て |
手続きの期間 | 契約書作成:数週間~数カ月 申立手続き:1~4カ月程度 | 3~6カ月程度 |
手続きの費用 | 公正証書作成費用:約2万円 申立て費用:約1万円 | 申立て費用:約1万円 |
任意後見制度と法定後見制度の基本的な目的は同じです。
つまり、被後見人の判断能力が低下した際に、その人の財産管理や身上監護を行います。
しかし、後見開始までの流れ、依頼できる業務内容、必要な費用など異なる点もあります。
このあと、それぞれの違いをわかりやすく説明します。
任意後見制度と法定後見制度の違いとは?7つのポイント
任意後見制度と法定後見制度には、大きく7つの違いがあります。
後見人の選任方法や業務内容、取消権の有無など、制度の特徴や使いやすさに大きな違いがあるため、利用を検討する際はそれぞれの特徴を正しく理解しておくことが重要です。
- 後見人の選任方法 - 後見人の業務内容 - 取消権の有無 - 監督人の有無 - 必要な手続き - 手続きの期間 - 手続きの費用 |
それぞれの違いを把握して、具体的にイメージできるようになりましょう。
1.後見人は誰が決める?選び方の違い
任意後見制度では、本人が判断能力のあるうちに自分で後見人を選び、公正証書で契約を結びます。
そのため、信頼できる家族や専門家など、本人が安心して任せられる相手にお願いすることができます。
一方、法定後見制度では、判断能力が低下してから家庭裁判所が後見人を選任します。
誰が後見人になるかは本人が選べないため、不安に感じる方もいるかもしれません。
「自分で選べるかどうか」が最も大きな違いといえます。
なお、法定後見制度では、支援の必要度に応じて「後見人」「保佐人」「補助人」と分かれています。
2.後見人にお願いできる内容は?
任意後見制度では、後見人に任せたい業務内容を本人があらかじめ自由に設定できます。
財産管理だけに絞ったり、医療や介護の契約まで任せたりと、自分の希望に合わせて柔軟に決められるのが魅力です。
対して法定後見制度では、後見人の権限は法律と家庭裁判所によって判断されます。
本人の希望よりも「安全・保護の観点」が重視されるため、任意後見に比べて自由度が制限されるのが特徴です。
3.不利な契約は取り消せる?「取消権」の違い
取消権とは、本人が誤ってしてしまった契約などを後から取り消せる仕組みのことです。
任意後見制度には、法定後見制度に存在する「取消権」がありません。
法定後見では、本人が判断能力の低下により不利な契約をしてしまった場合、後見人が契約を取り消して本人を守ることができます。
しかし任意後見は、本人の意思を最大限尊重する仕組みのため、後見人があとから契約を取り消すことは原則できません。
これは本人の自己決定権を大切にするメリットである一方、財産面のリスク管理という点ではデメリットとなる場合があります。
だからこそ、契約内容は信頼できる人と一緒に、慎重に決めておくことが大切です。
4.監督人の有無
任意後見制度では、後見人の業務開始と同時に家庭裁判所から「任意後見監督人」が選任されます。監督人が後見人の業務をチェックし、不正防止やトラブルの早期発見に役立つ仕組みです。これにより、後見人の暴走や財産の不正利用を防ぎやすいメリットがあります。一方、法定後見制度では、必ずしも監督人が選任されるわけではなく、本人の状況に応じて家庭裁判所が判断します。被後見人の財産が多い場合や、専門家の支援が必要な場合には、専門家が選任される傾向が強いです。
5.利用までに必要な手続きとタイミング
任意後見制度と法定後見制度に必要な手続きとタイミングは、以下のとおりです。
任意後見制度 | 法定後見制度 | |
判断能力が低下する前 | 任意後見契約公正証書の作成 | 特別な準備は必要なし |
判断能力が低下した後 | 任意後見監督人選任の申立て | 後見開始の申立て |
任意後見制度を利用するには、公正証書での契約や、後見開始時の監督人の選任申立てなど、いくつかの手続きが必要です。
準備段階で本人の意思確認が求められ、専門家への相談が欠かせません。一方の法定後見制度は、家庭裁判所への申立てが中心で、判断能力が低下した後に手続きを進めるため、本人の事前準備は不要です。
任意後見は「早めの準備が必要」、法定後見は「必要になってから利用する」点が大きな違いです。
6.手続きの期間
任意後見制度では、任意後見契約書の作成と後見監督人選任の申立てが必要です。
任意後見契約公正証書の作成:数週間から数カ月程度(事案によって異なる)
任意後見監督人選任の申立て:1~3カ月程度
任意後見制度は、契約を結んだだけではすぐに開始されず、本人の判断能力が低下し、家庭裁判所が任意後見監督人を選任したタイミングで効力が発生します。
準備から実 際の開始までに時間を要するのが特徴です。事案によって異なりますが、実際の選任まで3~6カ月ほどかかることもあります。
法定後見制度は、申立てから開始まで通常1〜4か月程度で、比較的早く利用できます。
急ぎで支援が必要な場合は法定後見、将来に備えたい場合は任意後見が適しています。
7.かかる費用はどれくらい?
任意後見制度と法定後見制度に必要な費用は、以下のとおりです。
任意後見制度 | 法定後見制度 | |
手続き費用 | 公正証書作成費用:2万円程度 申立て費用:1万円程度 | 申立て費用:1万円程度 |
後見人の報酬 | 任意後見人:任意 任意後見監督人:月5,000~3万円 | 成年後見人等:月1万~6万円 成年後見監督人等:月5,000~3万円 |
後見制度を利用する際は「手続き費用」と「後見人の報酬」が必要になります。
手続きをするときには、申立て費用が必要となります。自分で申立てを行えば1万円程度ですが、司法書士や弁護士などの専門家に依頼すると5~20万円程度の申立て費用がかかります。
任意後見制度の費用は、公正証書作成費用(数万円)にくわえ、後見開始後に任意後見監督人へ支払う報酬(月1〜数万円)が必要になる点が特徴です。
任意後見人を家族や親族が務める場合は、後見人への報酬が発生しないこともあります。
しかし、後見人や監督人を弁護士・司法書士などの専門家に依頼する場合は、報酬が必ず発生します。
一方、法定後見制度でも後見人や専門家への報酬(月数万円)が継続的に必要です。
どちらの制度も専門家を関与させると費用負担が増えるため、費用の面でも、信頼性とのバランスを考えながら、事前にしっかり準備しておくことが大切です。
まとめ|自分に合った制度を選ぶために
任意後見制度と法定後見制度は、いずれも判断能力が低下した本人を支えるための大切な仕組みですが、その内容や開始時期、後見人の選び方、費用には大きな違いがあります。
自分で信頼できる後見人を選び、支援内容を柔軟に決めたい場合は任意後見制度が適しており、準備の手間はかかりますが「自分の意思を反映できる」という大きなメリットがあります。一方で、すでに判断能力が低下していて、すぐに支援が必要なときには法定後見制度が適しています。
どちらを選ぶべきか は、健康状態や家族構成、希望する支援内容によって変わります。
制度の特徴を正しく理解し、早めに準備することで、将来への不安を軽減し、自分らしい生活を続けるための確かな備えになります。
任意後見制度については以下の記事も詳しく解説していますので、ぜひそちらもごらんください。
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