
実家どうする問題
2025.12.4



相続後に「売る」「貸す」「住む」メリット・デメリットの比較と判断の羅針盤
親が高齢になり、介護や医療の負担が現実味を帯びると、「実家はどうする?」という問いが避けられなくなってきます。
そして親が亡くなったあとには、相続、管理、固定資産税、維持費、そして空き家問題など、膨大な決断と実務が一気に押し寄せます。
独身者の場合は相談できる相手が限られ、特に、きょうだいがいない、あるいは遠方に住んでいて協力を得にくいケースでは、自分ひとりで決め、責任を負わなければならない負担が増しやすいのが特徴です。
本記事では、相続後に選択肢となる 「売る/貸す/住む」 の3つを、感情と実務の両面から整理し、自分の人生に最適解を見つけるための判断軸を解説します。
大前提:親の家は「遺産」というより“管理対象”になる
まず理解しておきたいのは、不動産は相続した瞬間から資産だけではなく「管理義務のある物件」になるという側面を持つことです。
家は放置しても勝手には減りませんが、その裏で義務とコストが発生し続けます。
維持コスト:固定資産税の支払い、水道・電気など最低限の契約維持費。
特に、相続後の固定資産税は「住宅用地特例(最大1/6)」の適用有無によって大きく変わるため、自治体で確認する必要があります。
住宅用地は基準を満たす場合に固定資産税や都市計画税の算定基準となる「課税標準額」が減算される制度があります (出典:東京都主税局 固定資産税・都市計画税(土地・家屋))
物理的リスク:空き家管理(通風・草刈り・郵便物確認)、劣化による倒壊リスク
近隣リスク:不法投棄、害獣の侵入、近隣トラブルのリスク
特に、空き家特例の適用外になるリスクや、管理不全による特定空き家指定のリスクもあります。
だからこそ、相続前後で選択肢を整理し、「負債」に転じる前に決断を下すことが大切です。
選択肢①売る(管理負担ゼロを目指す)
もっとも一般的で、精神的・実務的な負担を減らす選択肢です。
メリット
管理がゼロになる
空き家のリスク、維持費、近隣対応がすべて消滅します。
現金化されるため今後の生活設計に活用しやすい
老後資金、賃貸への住み替え、投資など、自由度が高い資金として利用できます。
精神的な整理がつきやすい
実家をきちんと手放したという区切りがつき、前に進みやすくなります。
デメリットと実務上の注意点
相続登記が必須
売却は所有者が行う手続きです。相続登記(所有権移転)が済んでいないと売却が進まないため、実務は「相続登記 → 売却」の順となることに注意が必要です。
心情的な割り切りが必要
親の家、多くの場合自分が育った場所という思い入れは大きく、決断が重く感じられるケースが多いです。
売却に時間がかかる場合がある
地方、築古、アクセス不便な物件は買い手が限定されます。その間も固定資産税や維持費は発生します。
相続人が複数だと調整が必須
独身でもきょうだいがいる場合、売却価格や時期、費用の分担などで合意形成が必須であり、手間と時間がかかります。
向いている人
ひとりで管理し続ける自信がない人、親の家に強いこだわりがない人、老後の資金や今後の住まいを柔軟に考えたい人。
選択肢②貸す(家賃収入を得る)
売らずに所有し続けつつ、家賃収入を得る方法です。
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