
親の葬儀でぐったりして気づいたこと―50代おひとりさまが自分の最後のお金を考え始めた理由
2026.01.28



「もう、二度とこんなバタバタはしたくない」
52歳の真由美さん(仮名)は母の四十九日法要が終わった夜、自宅のソファに座り込んだまま何度もそうつぶやいていました。
都内で事務系のフルタイム正社員として働くおひとりさま。元々は残業も厭わず働いてきましたが、ここ数年は更年期の不調もあってそろそろ少しペースを落としたいと感じていました。
そんな折に地方に住む母が倒れ、数か月の入院の後この世を去りました。そこからの数週間は、まさに怒涛という言葉がふさわしい日々でした。
葬儀は終わったのに、終わらないお金の話
葬儀の準備、親戚への連絡、式場との打ち合わせ。弟と協力しながら何とか乗り切ったものの、その後には法要の段取りや役所での手続き、銀行や年金の処理が次々に待っていました。
その中で真由美さんの心を一番疲れさせたのは、やはりお金の話でした。
葬儀費用を誰がどのタイミングで立て替えるのか。
香典をどう精算するのか。
母が遺していたものやお金をどう分けるのか。
弟とは仲が悪いわけではありません。それでも、「ここはそっちが出してくれてもいいんじゃない?」「これは公平に半分ずつだよね?」という言葉の端々に、ささくれ立った神経が反応してしまいます。
「誰か一人が悪いわけじゃない。それなのに、最後のお金ってこんなにも人の感情を簡単にかき乱すんだな」
それが、疲れ切った真由美さんの率直な感想でした。
自分は、誰かに迷惑をかけるんだろうか
一連の手続きが一段落したあと、真由美さんは母の部屋を片づけに実家へ向かいました。押し入れの奥からは、古いアルバムや日記と一緒にいくつかの保険証券やメモ書きのような紙が出てきました。
「自分が倒れたときに使えるお金」
「死んだ後の葬儀とお墓のために残しておくお金」
母なりに、用途を分けて考えていたことが伝わってきます。
「 自分がいなくなった後のことをちゃんと残された家族のために準備していたんだな」
そう思ったとき、ふと自分の場合はどうなるのかを考えざるを得ませんでした。
真由美さんには、子どもはいません。きょうだいはいるものの、それぞれの家庭があり生活があります。
「私がいなくなったとき、葬儀や片づけやお金のことって、誰がどうするんだろう?」
葬儀の場で、「お母さんのこと、最後までよくやったね」と言ってくれた親戚の言葉が、今度は自分ごととして重くのしかかってくるように感じました。
働き方を変えたい気持ちと、減るかもしれない収入
ちょうどその頃、会社でも働き方に変化がありました。部署の人員削減に伴い、一人あたりの業務量が増えてきたのです。50代になり、これまでのようにフルパワーで走り続ける自信は、正直薄れていました。
「できれば、週5フルタイムから、週4勤務とか、もう少しゆるやかな働き方に切り替えたいな」
そう感じてはいるものの、頭に浮かぶのは、どうしてもお金のことです。
収入が減るかもしれない中で、日々の生活費と、将来の備え。そこに加えて、「人生のしまい支度のお金」までどう準備していくのか。母の葬儀でのあのバタバタがまだ記憶に新しい中では、その問いは決して他人事には思えませんでした。
「最後のお金」は、生活費とは切り分けて考えたい
真由美さんは手帳を開いて、お金の役割を整理してみました。
● 普段の生活を支えるお金(家賃・食費・趣味など)
● 病気やケガで働けなくなったときのためのお金
● そして、自分がいなくなった後のために使うお金(葬儀、片づけ、お墓など)
同じお金でも、役割がまったく違うことに気づきます。
「全部ひとまとめに考えていると、生活費を削ってなんとなく貯金しておくしかない感じになっちゃうんだな」
生活費の口座の中に、最後の費用まで含めた「なんとなくの貯金」がある状態では自分が迷ったときどこまで使っていいのかが分からなくなります。
「だったら、最後のお金だけは普段のお金とは別枠でキープしておいた方がむしろ気が楽かもしれない」
そんな考えが頭に浮かびました。
母が残したものから学んだこと
母が残したものは決して完璧とはいえませんでした。それでも、保険証券と、お金に関するメモ書きががあったおかげで葬儀費用の補填をすることはできましたし、親族同士の話し合いもある程度の目安を持って進めることができました。
「分かりやすくここから出すって決まっているお金があると、残された人の気持ちがこんなにも違うんだな」
葬儀と片づけを経験した今だからこそ、そのありがたみが身にしみて分かります。
自分の「最後のお金」をどうやって用意しておくか
そこから真由美さんは、自分の場合はどうするかを少しずつ調べ始めました。
葬儀やお墓に、どれくらいのお金がかかる可能性があるのか。身寄りが薄い人でも利用しやすい、お別れの形があること。そして、終身タイプの保険などであらかじめ「最後に使うお金」だけを用途指定して用意しておく人もいること。
細かい仕組みまではまだ勉強中ですが、「人生の幕引きに必要な費用だけは、別枠で確保しておく」という考え方自体にはかなり納得感がありました。
普段の生活費や趣味のお金と、病気やケガのためのお金。
そして、自分がいなくなった後のためのきっちり用途を決めたお金。
それらを混ぜて考えないことで、毎日の暮らしも、最後の段取りも、少しだけ見通しを持って考えられるようになる気がしたのです。
働き方を「少しゆるめる」ための条件
フルタイムからもう少しゆったりした働き方に切り替えるには、当然ながら収入の減少リスクがあります。
それでも真由美さんは一度立ち止まってしっかりお金について考えたことで、気持ちの持ちようが変わるのを感じていました。
生活費は、その時々の収入に合わせて調整する。医療や介護など、病気になったときの備えは、また別途考えていく。そして、最後のお金は元気なうちに金額と使い道を決めておく。
そうしてカテゴリを分けて考えることで、「仕事を少しセーブしてもいいのかもしれない」という感覚が少しずつ現実味を帯びてきたのです。
誰かの負担になりたくない気持ちが、備えを整える
親の葬儀とその後の手続きを通じて、真由美さんは「最後のお金」の大切さを知りました。
それは、金額の多い少ないだけの問題ではありません。「誰が立て替えるのか」「いつ、どうやって精算するのか」。そうした細かなことひとつひとつが、残された家族や親族の負担になり得るという現実です。
50代のおひとりさまにとって、自分の人生の締めくくりをどう整えるかは、まだ先の話のようでいて、少しずつ考え始めておきたいテーマでもあります。
● 自分の生活を支えるお金
● 働けなくなったときの備え
● そして、自分の最後のために使うお金
立ち止まって手帳に書いて整理したこの言葉が、真由美さんをそっと支えています。
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