
事実婚を選んでいるあなたへ 〜メリットとデメリットを考えてベストな選択を学ぶ
2026.01.29




乳飲み子抱えて離婚。働きながら勉強し36歳で司法書士に。住まいを中心とした終活サポートを20年以上実施。人生後半戦を安心して過ごせるヒントを広めるために、執筆や講演だけでなくテレビやラジオ出演など活動の場を広げている。最新書籍 :最後は誰もがおひとりさまのリスク33
女性の社会進出が高まったことから、結婚関連に関する考え方もずいぶん変わりました。結婚する・しない、一緒に住む(同棲)、事実婚を選択する、子どもを持つ/持たない、さまざまな選択肢が増え社会も多様化になったのは良いことです。正解は人の数だけあって、本人が心地よければよく、その上社会が受け入れてくれれば何も問題なしですね!
と言いたいところ、いざ人生後半戦にもなると、少し問題が出てきます。
事実婚でも遺言書さえあればOK?
女優の加賀まりこさんが、事実婚であるデメリットは何もないと雑誌で語っていました。遺言書を備えていれば、パートナーに財産を残すことはできます。これは遺贈(贈与)となるので、相続よりは取得側の税金が増えちゃうけれど、確かに残すことはできます。
でも財産云々って、亡くなった後の話なのですよね。じゃ、生きている間はどうかって言うと、デメリットは残念ながらあります。
例えばパートナーが病気や事故で集中治療室(ICU)に入ったとしましょう。今後の治療の判断やICUに入れてもらえるのは、戸籍上の関係者です。もちろん医師や病院によっても多少違いはあるかもしれませんが、事実婚の場合は基本は蚊帳の外。パートナーが死ぬか生きるかの一大事。それなのに側にいられない、治療の判断もできないって、あまりに悲しすぎます。婚姻届1枚の話なのに、これはとても大きな差だと思いませんか?
少子化で「血縁を」と言われても、この先はいない人も出てくるでしょう。私の息子は1995年生まれですが、一人っ子で従兄弟がいません。私や姉が亡くなったら、血縁はいなくなります。そこまでに結婚しなければ、彼に親族はいなくなってしまうのです。
今の20代になると、さらに一人っ子率は高いはず。だからこの先は、世の中も変わらざるを得なくなるでしょう。でも今現在の日本では、戸籍の力はやっぱり絶大です。
だからこそ互いの意識としては結婚であり、事情があって敢えて届は出さず「事実婚」を選択しているのだと主張して納得してもらう必要があります。

事実婚と認めてもらうために
では友だち、内縁、事実婚、はたまた恋人、どうやって判断していくのでしょうか?
やはりいちばんは、お互いが婚姻の意思があるかないかというポイントに尽きます。
これを証明するために、パートナーシップ制度を導入しているエリアに住むのも一つの策かもしれません。ただパートナーシップ制度は同性カップルを対象にしているケースが多く、事前に確認しておきましょう。
また世帯が別々の場合には、事実婚と認めてもらうことは難しそうです。同じ場所に住み、住民登録も同一世帯にしましょう。住民票の続柄は「未届の妻(夫)」「妻・夫(未届)」等記載されます。これなら何らかの事情で婚姻届は提出していないものの、婚姻関係と同様に扱ってもらえる確率はアップします。
事実婚のデメリットとしては、お金に絡むことも多いのも事実です。夫婦であれば婚姻期間が20年超えれば、住んでいる家の贈与に関して優遇を受けることができます。夫婦としての税金控除や、保険の受取人も「第三者受取」となってしまい厳しいかもしれません。さまざまな給付金や税金等でも不利になることも多いので、しっかり確認しておきましょう。
そして最大の難関は、子どもです。事実婚の 上での出産は、生まれてきた子どもは法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれたとして「非嫡出子」となります。母子は出産で証明できますが、父子という親子関係を作るためには父親に認知してもらう必要があります。認知されることで、子ども側は相続権を取得できるのですね。
その他、氏の問題等色々と検討していかねばならない問題があるので、子どもを望むカップルの場合には籍に関してよく話し合いましょう。

事実婚を選択する場合
さまざまな理由から、事実婚を選択するカップルもいるでしょう。その場合には、いつの日か二人がタイミングは別としても、体も頭も健康でなくなる時が来る可能性をしっかり認識しましょう。
ICUまでにも、どちらかが認知症になってしまったら、長期入院等になってしまったら、夫婦よりさらに厳しい現実が待っています。少しでも快適に過ごせるよう、お互いが任意後見制度等を利用しておくことをお勧めします。そして加賀まりこさんではありませんが 、しっかり遺言書は作成しておきましょうね。
またどちらかに(カップル間以外の)子どもがいる場合、この点もよく考えておきましょう。よくあるのが(パートナーに)子どもがいるから揉めたくない、だから籍は入れない、そのようなことを耳にします。
事実婚を選択したとしても、逆に何の法的後ろ盾がないのですからトラブルは避けられません。相手の子どもと「仲が良い」と言えるのは、パートナーが今は生きているから。亡くなった後は、さまざまなものを巡っての争いになることは、覚悟する必要があります。
このようなケースで涼しい顔をしていられるのは、自分にしっかり経済的基盤がある場合。ここはしっかり確保しましょうね。
また事実婚同士で事業をしている場合も、さらに注意が必要です。事実婚の当事者には相続権がないので、株主たる地位は基本亡くなったパートナーの親族が取得していきます。こうなると自分の経済的基盤が、根底から崩れてしまうことにもなりかねません。事業の出口も含めて、しっかり考えておきましょう。
入籍することと、事実婚。当事者の思いは同じであっても、対社会となれば日本では随分差があります。
事実婚で長年暮らしていたのに、病気という難関に直面して急遽入籍した高齢カップルもいました。こう考えると、人生後半戦においては法律婚の方が安心な点はあるかもしれません。
人生は選択の連続。何を選択するにしろ、それに対する責任も伴います。自分にとって何がベストなのか総合的に判断し、そして柔軟に検討できるしなやかさを身につけていきたいですよね。そのためにも知識は重要。一緒に学んでいきましょう!
20年以上、この分野で多くの方のお話を聞いてきました。
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たとえば──
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