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人は必ず衰えていきます 〜判断力と体力があるうちに「自分らしい最期」を考える大切さ~

2026.03.05

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残念なことですが、人は必ず衰えていきます。

判断能力が先に鈍るか、体が動かなくなるか、その両方か。どちらにしても不老不死の人は、いません。悲しいですか? 残念ですか? 私は「ずっと生きていていいよ」と魔法使いに言われたとしても、丁重にお断りしたいです笑。

誰もが平等に歳を重ね、終わりがあるからこそ頑張れるから。ゴールが見えないと、ずっと生き続けることはただの苦行になってしまうと感じるからです。



終活の備えは80代でも「まだ早い」?

だからこそ体が動く間に、頭がはっきりしている間に、色々なことを考えていきませんか? 高齢者の方に遺言書作成や備えることをお勧めすると、「まだ早い」とおっしゃいます。80代後半になってでもです。

びっくりしてしまうのですが、理由は2点あると思っています。


1点目は、本当に「早い」と思っているわけではなく、難しいことを考えることがもう面倒になっているということ。

認知症の権威であった医師の故・長谷川和夫先生は「高齢者は朝起きた時にいちばん頭がはっきりしていて、午後になるとモヤっとしてきて、晩御飯の頃には霞がかかったみたいになる。そして寝たらまたスッキリするの連続で、そして認知症が進めば、そのサイクルが日単位ではなくなる」と、ご自身が認知症になった際に語ってらっしゃいました。


でも遺言書の話等になると、目覚めた瞬間からするわけにはいかず、結局頭がモヤっとしているタイミングで言うので、ご本人とすると「まだ早い」と言う言葉で片付けているのかもしれません。

これを知ってから司法書士として売買の意思確認をする際に、高齢者宅に午後に行くとあやふやなのに、朝一番に伺うと明確な回答が得られました。それ以来、失礼のない程度の朝一番でお伺いするようにしました。こういった知識があると、親御さんたちとの会話でもスムーズにいきそうですよね。


2点目は、「死」が近すぎて、遠ざけてしまうということ。

40代の人が「死」について考えるのと、80代で考えるのとは現実味が違うでしょう。高齢期に「死」について考えるのは、どうしても生々しくなってしまいます。そのため「考えたくない」と思ってしまう気持ちは、理解できます。

だからこそまだ冷静に判断できる際に、考えたり備えたりすることが重要なのでしょう。


余命宣告されて入院している高齢者から、遺言書や死後事務委任契約の相談を受けることがあります。もう家に戻れることはないと、分かったのでしょう。

もっと早ければ、選択肢もさらにたくさんあったのに……そうとても残念に感じてしまいます。それでもこの相談ができるのは「頭」がはっきりしているからこそ。判断能力がなくなると、もはや何もできません。


最後の最後では、本当にできることは限られてしまうのです。「父が癌になって、相続対策の手続きをしたいと言っています」と相談を受けたとしても、できることといえば遺言書を作成するくらい。相続対策は時間があれば選択肢もたくさんあり、それに対する効果も大きく得られるのですが、残された時間が限られるとほとんど何もできなくなってしまいます。



必ず終わりがあるからこそ考える必要性

チューブだらけになってまで生きていたくない、そんな言葉をよく耳にします。

一方で、お聞きしたいのです。そのための覚悟ができていますか?


終末期の調子が悪くなった時に、救急車を呼ばずにいられますか? 

救急車を呼ぶということは「なんとしてでも(チューブだらけになっても)助けてください」ということ。運ばれた病院では、仮に深夜であったとしてもドクターたちが必死に、そう全力で貴方が死なないように尽くしてくれます。彼らの使命は、どのような状態であったとしても「死なさない」です。

ありがたい話です。でもそれは望んでいることと、矛盾しませんか? 


もし本当に「チューブだらけになってまで生きていたくない」なら、救急車を呼ぶことではなくかかりつけ医に連絡することなのです。いざという時に、その覚悟があるのか……。そしてそれに対して、ご家族も同意見なのかどうか。

さらに「チューブだらけになりたくない」という意思表示を、きちんと形にしておくことが必要です。だって自分で「そんな治療しないでください」と言える状態ではないでしょうから。


スウェーデンでは、終末期であっても病院で過ごす人はごく僅かで、大半は自宅で過ごします。大きな手術をしたとしても、スパルタ式に平均5日ほどで退院します。(日本の平均入院期間は75歳以上は39日を超えています。

 ※令和5年度厚生労働省資料より


スウェーデンでそれほど早く退院させられるのは、傷口が痛くても動くことが寝たきりを作らない最善の策だから。自宅で、自分で自分のことをすることが、最大のリハビリと考えるようです。

日本の場合は手厚いのかもしれませんが、高齢者になって10日間寝たきりになると、足の筋肉が落ちて歩けなくなってしまいます。そして寝たきりになれば、認知機能も一気に低下してしまいます。貴方は、どちらの「優しさ」を選びますか?


一方で体の自由が効かなくなって、施設で暮らす高齢者もたくさんいます。「なかなかお迎えが来てくれない」「(体が動かないので)もう自殺することすらできない」そんな体の中から絞り出すような嘆きを、耳にすることもあります。

誰しもが、生きている=幸せとは限らないということなのでしょう。


自分がどのような状態に陥るのか、予め予想することはできません。長い年月の間に、気持ちや考えも変わるでしょう。決めたことも、修正していけばいいと思います。だって私たちは、心を持った生き物なのだから。決めたら最後、それが唯一のはずがありません。

それより重要なことは、自分の人生を生き切るということ。自分がどうしたいか、自分が望むことは何なのか、それを自分の頭で考え、伝えられない時のために備えておく、この思いが大切なのだと思います。


因みに太田垣は、現世だけで終わるとは思っていないので、ヘロヘロになってからではなく余力を残して「またね」ってこの世を去りたいと思っています。その方が充電回復期間を少なく、来世をスタートできそうだから笑。

そのために終末期は、積極的な治療で体力を使うより、痛みを取りつつ太く短く生きていたい。そして何よりも、今を生き切りたい。一日を大切に、全身全霊で愛しみながら過ごしていきたいと思っています。


皆さんは、どう考えますか?


====================================

20年以上、この分野で多くの方のお話を聞いてきました。

 

「もっと早く考えておけばよかった」とおっしゃる方は多くても、

「早く相談しすぎた」と言われたことは、ほとんどありません。

 

今、この記事をここまで読んでいるあなたは、

とても良いタイミングにいます。

 

ぜひ、あなたの今の気持ちに合わせて、次の一歩を選んでみてください。

 

 

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いまの状況を言葉にしながら、何から手をつけるとよいかを一緒に整理します。

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