
なぜ「生きている間の備え」が必要なのか?これからの安心に向けて今できること
2025.12.1



仕事や子育てが一段落し、「これからの人生をどう生きるか」を考え始めるのは、40〜60 代の方が多いのではないでしょうか。元気な今は実感がなくても、将来、体や心に変化が出てくることは誰にでもあります。
認知症の発症や配偶者との死別、子どもの独立などによって、気がついたら「おひとりさま」の暮らしになっていた、ということもあるかもしれません。そうなったときに安心して暮らせるようにするには、「生きている間の備え」を今のうちから整えておくことが大切です。
この記事では、認知症や一人暮らしに伴うリスク、そして自分らしい老後を守るための法的備えについて、専門的な内容をわかりやすく解説します。
なぜ、今から将来の備えが大切なの?
将来の備えは「まだ元気だから大丈夫」と思っているうちに始めることが大切です。
高齢になると、判断力や体力の低下、家族構成の変化など、思ってもみなかったようなリスクが現実になることもあります。特に「認知症の発症」や「おひとりさまになること」は、多くの人に起こり得る身近な問題です。
ここでは、その二つのリスクを中心に、備えの重要性を考えてみましょう。
1.将来、認知症になる可能性があるから
日本では、65 歳以上の約 5 人に 1 人が認知症を発症すると言われています。実際、厚生労働省の研究・報告*
によると、年齢別の認知症患者の有病率は以下のとおりです。

この通り、60代であれば1%台ですが、80代になると40%台まで認知症の有病率は高まります。
もちろん認知症は必ずしも発生するわけではありませんし、発症しないのがもちろん理想ですが、「もしかしたら将来、認知症になってしまうかもしれない」ということは頭の片隅に置いておくほうがよいでしょう。
判断力が低下すると、財産の管理や契約手続きが自分でできなくなり、生活全体に支障が生じます。
例えば、預金の引き出しや不動産の売却なども本人の意思で行えなくなる場合があります。そのため、任意後見契約などの制度を活用して、信頼できる人に手続きを任せる準備をしておくことが重要です。元気なうちに対策しておくことで、将来の不安を軽減できます。
*出典:厚生労働省「地域包括ケアシステムのさらなる深化・推進②(参考資料)」3ページ
2.将来、「おひとりさま」になる可能性があるから
今は家族と一緒でも、将来は配偶者や子どもが遠方に住む、あるいは先立たれるなど、結果的に「おひとりさま」となる可能性があります。
高齢になると入院や介護施設の入居、亡くなった後の手続きなど、誰かの支援が必要な場面が増えます。しかし、頼れる家族がいない場合、自分の気持ちを代わりに伝えてくれる人がいないと、不安になる場面も出てきます。
そうした事態に備え、身元保証サービスや死後事務委任契約を利用しておくことで、安心して、これからの暮らしを続けることができます。
将来、認知症になったときに困ることとは?
認知症は誰にでも起こり得るもので、発症後の生活にはいろいろな不便が生じることがあります。
「法律的な手続きが難しくなること」や「詐欺などの被害に遭いやすくなること」は、本人だけでなくご家族にも大きな負担になることがあります。
ここでは、認知症を発症した際に起こりやすい代表的な問題について解説します。
1.契約などの手続きが自分でできなくなることも
認知症になると、判断力が低下して「自分で決める力(意思能力)」がないと判断されることがあります。
意思能力を失うと、契約や遺言書の作成など、契約などの大事な手続きをひとりで進められなくなることもあります。その結果、預金が引き出せなかったり、不動産を売ることができなかったりして、家族が生活費を引き出せないといった支障が生じることもあります。
元気なうちから任意後見制度などを利用しておけば、信頼できる人が代わりに手 続きを行えるため、生活の混乱を防ぐことができます。
2.詐欺などのトラブルに巻き込まれやすくなることも
認知症になると、判断力や記憶力の低下により、悪質な勧誘や詐欺被害に遭いやすくなります。
実際に、高齢者を狙った訪問販売や投資詐欺などが後を絶ちません。本人が被害に気づかないまま契約してしまうケースもあります。
そのため、普段から家族や信頼できる支援者が見守る体制を整え、通帳や印鑑の保管方法を見直しておくと安心です。
さらに、成年後見制度を利用しておけば、後見人が契約内容を確認・拒否できるため、被害を防ぐための大きな助けになります。
将来、おひとりさまになったときに困ることとは?
高齢になると、配偶者との死別や子どもの独立、親しい友人の減少などにより、結果的に「おひとりさま」になる人が増えています。今は家族と暮らしていても、将来的にひとりで生活する可能性は誰にでもあります。
ここでは、一人暮らしの高齢者が増えている現状と、その際に生じるリスクについて見ていきましょう。
一人暮らしの高齢者が増加
厚生労働省の調査によると、高齢者世帯 1,655 万世帯うち、単独世帯は 855 万世帯で全体の 51.6%を占めています。つまり、2 人に 1 人以上の高齢者が一人暮らしをしているということです。特に女性の単独世帯は 551 万世帯と男性の約 2 倍にのぼり、年々増加傾向にあります。*
長寿化が進む日本では、今後さらに一人暮らしの高齢者が増えると見込まれており、社会全体での支援体制の充実が求められています。
国立社会保障・人口問題研究所の 資料**によると、65 歳以上の夫婦のみ世帯・単独世帯の予想は以下のとおりです。

ご家庭の家族構成にもよりますが、おひとりさまになるリスクを抱えている人は少なくありません。だからこそ、もしものときに備えて今から準備しておくことが大切です。
なお、ご結婚されておらず、お子さまがいらっしゃらない方にとっては、特に早めの備えが安心につながります。
*出典:厚生労働省「2023(令和 5)年 国民生活基礎調査の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa23/dl/02.pdf
**出典:国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)(令和
6(2024)年推計)」
https://www.ipss.go.jp/pp-ajsetai/j/HPRJ2024/hprj2024_gaiyo_20240412.pdf
一人暮らしの高齢者が直面しやすいリスクとは
一人暮らしの高齢者にとって特に注意が必要なのは、体調不良や転倒などの緊急時にすぐ助けを呼べないことです。持病がある場合などは、発見の遅れが命に関わるケースもあります。
また、孤立によって地域とのつながりが薄れ、日常の小さな困りごとを相談できる相手がいないと不安に感じる方も多くなります。
こうしたリスクを防ぐためには、地域包括支援センターや見守りサービスの活用、信頼できる人への事前の連絡体制づくりなど、元気なうちからの備えが重要です。
まとめ|安心の老後のために、元気な今からできること
認知症や家族に頼れない高齢のおひとりさまにとって、老後を安心して過ごすには、判断能力があるうちに法的・実務的な備えを整えておくことが重要です。
法的な手続きとして、例えば以下のようなものが挙げられます。

入院や施設に入るときに必要となる「身元保証」は、親族の代わりに手続きをしてくれる法人や専門業者にお願いすることができます。
判断能力が低下した場合に備える「成年後見制度」は、財産管理や契約を代理で行ってもらう仕組みです。
また、亡くなった後の葬儀や遺品整理、役所への届出を任せられる「死後事務委託契約」を結んでおくことで、死後の不安を軽減できます。
これらの制度をうまく組み合わせることで、誰にも負担をかけずに、自分らしい人生の締めくくりができるようになります。
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